鈴木サキソフォンスクールの公式ツイッターを始めて約3年。その間、最も多くの反響を頂いたのが、下記のツイートです。 このツイートは、時折思い出したように炎上(一気に大量にリツイートされていく状態)するのですが、一旦炎上が始まると、いつも3,000以上、リツイートされています。
日本人は『プロ=上手』、『アマチュア=下手』という意味だと考えがちです。そして、アマチュアの方は、自らをを卑下してしまいます。しかし、これらの言葉本来の意味は『プロ=職業』『アマチュア=愛好家』です。アマチュアは『愛好家』らしく、楽しく演奏すれば良いのです。
— 鈴木サキソフォンスクール(サックス) (@SuzukiSax) 2013年3月12日
音楽の「アマチュア」の世界
「アマチュア=愛好家」、これがアマチュアという言葉の本来の意味です。プロの奏者は、観客が支払う対価に応じた演奏を提供する義務が発生しますが、アマチュアにはそれもありません。そもそも、「上手でなければならない」なんて事は無いのです。
しかし、現実を見ますと、アマチュアの中でも、特にバンド等の団体で活動していると、例えば「上手く吹けないメンバーには、この曲は吹かせない」なんて無法が、まかり通ってしまう雰囲気があるようです。 何故このような考えになってしまうのか?それは間違いなく、他所のバンドと比較してしまうことが原因です。
少なくとも、リーダー格の人物が、己の見得の為に、より整った演奏(このような考え方のリーダーが率いているバンドからは、良い演奏は生まれないでしょう・・)を提供しようとする・・、そんな歪んだ価値観から、このような悲劇は生じます。
他人との比較が生み出す悲劇
音楽に取り組む上で最も避けたいのは、「自分と他人の演奏の比較」を基にした価値観に縛られる事です。例えば、自分の音は誰々さんより劣っているとか、逆に、誰々さんよりは指が廻るとか、そんな事考えたって、何にもよい事はありません。 音楽に取り組む上で、他人と自分を比較した上での「劣等感」「優越感」、どちらも不要な価値観です。少なくとも、これらが自らの音楽を向上させることはありません。
もちろん、向上心を持って取り組む事は有意義です。愛好家の本来の目的「楽しむ」為にも、より深くまで探求を進めた方が、より深く楽しむ事につながるでしょう。しかしそれは、あくまで「自己改革」です。他人と比較するのではなく、過去の自分と比較して、現在の自分がどうかという話にすぎません。
愛好家だからこそ、より深く音楽の楽しさを探求していく中、結果的に、深いレベルの音楽を生み出せるようになる・・。これが「最高のアマチュア」です。私は、この「最高のアマチュア」こそが、今後の楽器演奏の世界の中心になっていくのが好ましいと信じています。 皆さん、本来の「アマチュア」らしく、音楽を心より楽しみましょう!そして、皆で幸せになりましょう!!