【SWING KIDS】天使たちの奏でるジャズ③

(今回のブログは、前々回のブログ【SWING KIDS】天使達の奏でるジャズ①前回のブログ【SWING KIDS】天使達の奏でるジャズ②の続編となります。是非、コチラを併せてご覧いただくように、お勧めします。)

 

さてここで、前回、前々回と書き連ねてきた、SWING KIDS(スィングキッズ)が美しいサウンドを生み出す秘密について、一旦まとめてみようと思います。

  • 5才という、まだ音楽的に何も「汚れて」いない若年齢から楽器に取り組んでいる事、そして、それを可能にするスイス、ヨーロッパの音楽教育システム
  • 指導者木元さんの指導方針、「余裕を持って演奏できるレベルの楽曲を!」、「余計な事は何も教えない!」により、子供達が感性の趣くまま、伸び伸びと純粋に演奏を楽しんでいること

主に上記2点の要因が幸運にも重なった事が、奇跡のジャズバンド、スィングキッズが誕生した秘密だと思われます。・・と、ここまで書き進めてきた所で、もう一つ重要なポイントに気づきました。

演奏機会こそ最高の学びの場

SWING KIDSの指導者、木元大さんのお話によると、やはりスィングキッズを立ち上げた当初は、さすがに子供達も思うように演奏ができず、数年間指導に苦労をなさった、とのことです。しかし、徐々にサウンドが向上してくると、その演奏が評判となり、ヨーロッパ各地、いや、世界中から、演奏の依頼が持ち込まれるようになったそうです。そして現在では、何と一ヶ月に10回ものステージをこなすほどの人気バンドになっています。

 

この演奏会数も、キッズ達の演奏に好影響を与えているはずです。 私、鈴木学自身の実感として、楽器演奏の向上のためには、10回の練習よりも1回の本番の方が有意義だと感じます。それ程、人前での演奏は、演奏の向上には効果があるのです。

 

美しく、ハッピーな演奏ができるようになったからこそ、人気バンドになり演奏機会が増える・・。ピュアな子供達にとって、最高の好循環なのではないでしょうか? さてここで、SWING KIDS のゴキゲンな演奏をご紹介します。画像は良くないけど、音はバッチリ入っています。カッコイイですよ~!

SWING KIDSから学ぶべきこと

さて、ここまでSWING KIDSの演奏の秘密について、様々に分析を進めてきました。我々も是非、キッズたちをお手本にして、自らの演奏の参考として取り入れたいところです。とはいえども、言うまでもない事に、今から5才に戻る事はできません!ここ日本で、優秀な指導者の下、5才で管楽器に触れるなんて幸運に恵まれる人は滅多にいませんよね? だからといって、もう絶対にキッズのような演奏はできないのだと、悲観するのはまだ早いです。

 

確かに純粋で、ピュアなキッズたちと比べて、我々大人は『汚れて』います。誰でも音楽、ジャズ、楽器に対して不要な先入観を山ほど背負い込んでいるのです。それは、今更どうしようもない現実でしょう。 だからこそ、その汚れを落としていくように心がける事が必要となります。さすがに、キッズたちと全く同じように演奏するのは難しいかもしれませんが、そうなれば少なくとも、心から音楽を楽しめるようにはなれます。

 

学校教育の音楽の時間でのトラウマ、「音符は難しい、音符通りでなければ間違いである」。不必要に厳しい指導をするピアノ教師、学校の部活としての吹奏楽により思い込まされた、「音符は正確にメトロノームと一致していなければならない」等々、これらは全て、音楽に純粋に向き合う事を妨げる『汚れ』です。こんな事を、音楽上の絶対的な規則にする必要は全くありません。むしろこれらの『汚れ』自体が、音楽的に完全に間違った考え方です。こんなルールを後生大事にしなくても、音楽はできるのです。

 

少なくとも、キッズたちはこのようには思っていないはずです。特に音符については、木元さん自身、指導の中で「音符を演奏するのではなく、メロディーを歌いなさい」という趣旨のお話をされていました。言うまでもありませんが、音符そのものはメロディーではありません。こういった指導を受けているキッズ達には、上記の『汚れ』はつきません。

純粋に演奏を楽しみましょう

美しいものに対して素直に美しいと感動する気持ち、そして音楽を楽しみたいという願い、これだけあれば楽器の演奏はできます。むしろこれだけを願って演奏を続けている方が、楽器は上達します。もしも、楽器を演奏していて、今まで、このようにするべきだと思い込んできたけど・・、と疑問に思う事があったら、すぐにもっと深く疑ってみてください。それこそが、不要な『汚れ』の可能性があります。

 

例え、周りの皆が正しいと言っている事でも、それが皆さんにとって適切な考え方であるとは限りません。演奏を楽しみたい、美しい音を出した意という気持ちを最優先に、その考えと逆らう観念を見つけたら、全て疑ってかかりましょう。そうしていくうちに、徐々に汚れは落ちていきます。それには時間がかかるかもしれません。

 

しかし、大人に合って子供に無いもの、それは思考力だと思います(そうであって欲しいと信じています・・汗)。自らの汚れを落としていく為に、常に思考してください。疑ってください。 もちろん、鈴木サキソフォンスクールにお越しいただければ、『汚れ』を落とす、つまり、『演奏の成長を妨げる不必要な思い込み』を取り除くお手伝いをさせていただきます。何はともあれ、楽器演奏、音楽は楽しんでナンボ、美しさを求めてナンボです。そうする事ではじめて、音楽の感動を得ることができます。皆さん、ピュアで純粋な気持ちで音楽を楽しみましょう