ジャムセッション開催!

先日、教室代表、鈴木学がホストとなってジャムセッションを開催しました。鈴木サキソフォンスクールは、ジャズ・ポピュラー系サックス専門校と銘していますから、ジャズアドリブ即興演奏を志す生徒さんも大勢在籍しています。そんな生徒さんが切磋琢磨する場として、そして、普段のレッスンにつながる経験の場として、セッションを開催した次第です。

セッションでわかる事

ジャムセッション

生徒さんの中には、普段から各地のジャムセッションに参加している猛者もいれば、セッション初心者さんもいます。今回のセッションではホストバンドに、一流ジャズミュージシャンを迎えましたので、どちらの生徒さんにとっても、大きな収穫があったはずです。

 

まず、セッション慣れしている人の場合、経験がある分、反対に音楽的な「落とし穴」にはまっている例が多々あります。例えば、エンディング等、楽曲の進行について、アイコンタクトやジェスチャーに頼る習慣を持っている人が多々います。そこそこのレベルのセッションであれば、参加者が、ジェスチャーによるコミュニケートする事に慣れているため、ついつい、「音による楽曲の進行」、例えば、ソロの終止を音で表現する事等が疎かになりがちです。

 

一流のバンドの場合でも、ゼスチャーによる合図は示されます。しかし、それは前提として「音の流れ、楽曲の進行」があってのことです。音の流れと関係なくゼスチャーで、楽曲の進行を変化させることはあり得ません。音と関係無くゼスチャーされても、困ってしまうのです!

 

先日のセッションでも、音楽的には楽曲の終止が表現できていないのに、ゼスチャーのみでエンディング音をバンドに要求した生徒さんがいたのですが、バンド的には、それは大変無理がある事です。音が終わっていなければ、曲は終われないのです。

 

セッションの仕来りを知ることも大切ですが、それ以上に音でやり取りする事が重要です。何よりそれが本来のセッションの目的のはずですから・・。一流のバンドとの演奏体験を重ねることで、音によるコミュニケーションの楽しさを発見し、より深い音楽の醍醐味を体験していただけるようになればと、心より願っています。

自らの音を存在させる!

サックス(サクソフォン)・カルテット

さて次に、セッション経験の浅い、つまり、ジャズポピュラー系バンドとの合奏経験が浅い人の場合、問題になるのは、音的にバンドの演奏に参加したといえる状態になる事でしょう。(バンド内に自分の音の存在感を示す事ができるかとも言えます)。ここで大きな障害になるのは、「周りの音を聞いて合わせる」事に固執する、日本音楽教育独特の思想の存在です。

 

結論から言えば、この思想は、少なくともジャズポピュラー系演奏にとっては、本当に邪魔な存在です。頼むから無くなってほしいと、私は個人的に強く願います。

 

セッションの場合、特にジャズのジャムセッションの場合、音楽の内容はほとんどが即興演奏となります。各奏者が、その場で即興的に創り出す音同士で合奏し、楽曲を創り上げていくのです。その際に大切なのは、お互いの音を感じる事、音を伝えあう事であって、音を溶け合わせる事ではありません。

 

しかし、「周りの音を聞いて合わせる」事を重視した音楽経験を重ねた人は、十中八九、溶け合わせようとします。その結果、一緒に演奏しているはずなのに、バンド内で自分の音の存在が確立できません。演奏内容がバンドの他のメンバーに伝わらない上、自分でも何をやっているのか、よくわからなくなってしまいます

 

まずは、バンド内に自分の音をしっかりと存在させること、その為には、バンドの他のメンバーに自分の音をしっかりと伝えようと願って演奏する事、そして、演奏中の自分自身の音をしっかりと聞き取る事、一緒に演奏する奏者のレベルが高いほど、これが重要となるのです。

 

今回のようなセッションを、今後も定期的に開催していく予定です。上に記した音楽的に重要なポイントを、生徒さんが体験しマスターしていく場として、有効に活用していただければと願っています。皆さん、楽しく頑張っていきましょうね!