今日は一日、悲しいニュースに、気持ちが沈んでいました。米国のシンガーソングライター、レオン・ラッセル氏の訃報・・、私、鈴木学にとっての青春の音楽が、リアルタイムから過去のものへと移り変わったように感じています。
ロック・ポップ界の重鎮、レオン・ラッセル
ここ日本では、レオン・ラッセルの名前を知っている人は今や少数派かもしれません。しかし、70年代の洋楽をリアルタイムで聞いていた者にとっては、彼の名前は作曲家として記憶されているはずです。
ア・ソング・フォー・ユー、タイト・ロ—プ、スーパースター、マスカレード、・・等々。メロディーを聞けば誰でも思い出す名曲から、初めて聞いてもスッと耳に馴染むキャッチーなメロディーまで、70年代に一世を風靡した、珠玉の名曲を数多く生み出しています。
加えて、だみ声で情熱的に歌い上げる歌唱スタイルは、今なお多くの歌手、アーティストに多大な影響を与え続けています。
隠れた名手、実力派・・
実は、若かりし頃、レオンラッセルの公演に赴いたことがあります。これだけのビッグネームなのだから、きっと大勢のファンが押し寄せて・・、なんて予想して出かけたら、現場のホールは空席ばかり。パッと見た印象では半数以上が空席だったように記憶しています。
そんな中、開演したのですが、そのステージングは実に地味なものでした。というよりもステージングと言えるような演出はほぼ皆無でした。ステージ上のバンドとレオンによって、ただ淡々と楽曲が演奏されていく、そんなステージでした。
私、個人的には、本人の歌唱自体の素晴らしさ、そしてもちろん楽曲自体の美しさによって、大いに満足したコンサートとなったのですが、一般の観客にとってはどうだったのだろう?今になってそんな疑問が沸き上がります。
現在のレオンのネームバリューは、それほど高くはないでしょう。実際のステージでも、商売っ気は全く無く、有名になろうなんて雰囲気は全然感じられません。恐らく本人は、有名になりたいという名誉欲、もっとお金が欲しいという商売欲が、極めて少ない人物だったのではないでしょうか。
ただただ、美しい音楽を生み出したい、それを誰かに聞いてほしい・・。それに徹した人物だったのではないでしょうか?もしも本当にそうだったのだとしたら、素晴らしいミュージシャンシップだと思います。いや恐らく、それは真実でしょう。ステージ越しに会ったレオンは、そんな人物に見えました。
偉大なる音楽家、シンガーソングライター、レオン・ラッセルの音楽人生に、合掌・・。