「ジャズメン復帰計画」始動?

ジャズフルート
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

一年半ほど前に書いたブログ「演奏活動を活発に!」で宣言以来、徐々に徐々にではありますが、私、鈴木学の中のジャズミュージシャン、ジャズサックスサクソフォン)、フルートプレイヤーしての意識を高めてきました。途中、演奏プロジェクト「Manabu Music」を立ち上げるなど、様々に方向性を探る中、いよいよ自らの音楽を世に問いたいという気持ちが高まってきました。

今回のブログ「校長日記」では、その思いを確認するに至った、先日のJazz inn LOVELYでのライブ出演の際に、写真家の越野龍彦さんが撮影してくださった素敵なお写真を併せてご紹介します。

「表現者」として活動したい!

この15年の間、サックス専門音楽教室「鈴木サキソフォンスクール」の運営を、自らの活動の軸足として取り組んできました。もちろん、今後もそれが大きく変わることは無いのですが、それでも今までよりは、さらに積極的に演奏機会を求め、ステージに上がる表現者としての自分を追求する、つまりジャズミュージシャン鈴木学として、もう一度ジャズ演奏現場の前線に立ちたい、と決意するに至りました。

ジャズシンガー
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

教室を立ち上げる以前の私は、最大で月間15本の現場、例えばジャズライブハウス、ホテル、コンサートホールその他での演奏機会を得ていました(詳しくか個人サイトのブログ「サックス、ジャズ人生に乾杯!」をご覧いただけたら幸いです)。

 

ジャズのミュージシャンは、スタジオでの練習よりも、お客様の目の前で演奏する本番、現場でこそ、その演奏能力を高めていくものです。私は20代の頃ほぼ10年間、演奏機会を求めてはステージで演奏する生活を続けていました。それが当たり前の生活になっていたのです。

しかしながら、当時の私にとって、それはまさしく「ジャズ修行」とでも言うべきもので、「ジャズサックスをマスターしたい、より深くジャズの神髄を知りたい」というのが主な目標、ステージ活動の動機でした。とにかくジャズを深くマスターしたかった、いわば「正統的な、正しいジャズをマスターしようとした」のです。

レッスン室での葛藤

その後、鈴木サキソフォンスクールを設立し、修業時代に身に着けたサックス演奏、ジャズの技術を基に教育活動に専念する中、自分の中に音楽、ジャズを熟成させてきました。そして、生徒さんと会話を繰り返す中、ジャズポピュラー系の音楽演奏にとって本当に必要なのは、「正しさ」ではなく「自分なりにカッコいい、美しいと思える音、音楽を求めるスピリッツ」であることが理解できてきました。

ジャズギタリスト
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

とは言え、生徒さんに対しては「正しい演奏ではなく、自分なりに美しい音色、音楽を目指しましょう!」と助言しながらも、自らの演奏に対しては、その言葉通りに実行するまでにはかなりの年月を要しました。

私の修業時代、ジャズ演奏者に主に求められたのは「善いジャズを聴きたい」というお客様のニーズに答えることであったため、より正統的なジャズサックス演奏を志向する意識から、中々逃れることができなかったのです。私自身、その中ではかなり独特な演奏をしていた方だとは自覚しているのですが、それでも頭の中の根っこに「より正統的なジャズ...」という考えがいつまでもこびりついていたため、大きな一歩が踏み出せずにいたのです。

自分の音楽を確立!

その後、年齢を重ねると共に、徐々に徐々に自分の中で様々なこだわりが解消していきました。特に最後まで誤解し、固執していたのが「ジャズ演奏ではより難解な音遣いをすべき」という思い込みでした。それが加齢とともに、運指技術は衰え、難しいフレージングを訓練する意欲が減衰していき、もう若いころよりも難しいフレージングを演奏するなんて無理だと開き直るようになったころ、ついに閃きました。「だったら今の技術、今の自分に演奏できる音楽を演奏すればよいじゃないか!それで何が悪いのか?

ジャズドラマー
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

ちょうどその頃から少しずつ自作曲の作曲に取り組むようになっていました。作曲でも、それ以前ならば「誰も生み出していないような、斬新な楽曲を造らねば」なんて気負っていたものですが、その頃には「その時思い浮かんだメロディーを素直に曲にまとめればいいや」と力が抜けてきた頃でした。

そのように気持ちが向かうと、次々と発想が浮かびます。そしてついに、「正統的なジャズでなくても良い。自分なりのジャズ、他の人とは異なる、鈴木学ならではの音楽を生み出したい」と思い至りました。その結果、演奏者としての自分を、確信をもって世に問いたいと思えるようになりました。それを実現するためのプロジェクトが「Manabu Music」なのです。

というわけで、私、鈴木学の表現者としての意欲は、何時になく高まっています。演奏機会を求めています。しかしながら、いくら自分で演奏したいと願っていても、聞きたいというお客様がいなければ、演奏機会は得られません。皆さん、是非、私を招いてください。ライブハウスに「鈴木学の演奏を聞きたい」とリクエストしてください。是非、お願い申し上げます!