ジャズ、ボサノバ・ボーカルの体験レッスンで伺う「よくある質問」を一覧にしました。どうぞご覧くださいませ。
講師である私、鈴木智香子も、英語を満足に話す事はできませんが、歌詞を覚えるのをそれほど大変だと思った事はありません。
ジャズスタンダード曲の殆どが、中学校程度の簡単な単語で歌詞が作られており、全体の難易度としては、決して高くはありません。また、歌を歌う以外にも、曲の背景について本を読んだり、ネットを使ったりして調べてみると、曲への理解が深まっていきます。レッスンでは、何よりも曲に愛着を持っていただき、いつかは、『私の十八番(おはこ)』となる曲を長く歌っていただきたいと思っております。
しかし、歌詞を覚えるのを『作業』と捉えてしまうと、次の曲に移る頃には、前に歌った曲の歌詞を忘れてしまったりと、歌のレパートリーを増やすのも苦痛となってしまいますし、曲への愛着も湧いてきませんので、ジャズボーカルに対する興味も失ってしまうことになります。特に、メロディーと歌詞を切り離して、歌詞のみ丸暗記しようとすることは、決してお勧めはしておりません。
10年以上のレッスン経験の中で生徒さんの様子を見ていますと、英語の歌となると、正しい発音で英語っぽくしなければ(そこが既に怪しいのですが)と、どうしても構えがちになってしまいます。しかし、聴き手が聴いているのはそういった部分ではなく、曲のメロディーの方だったりします。
実際、発表会などでは、歌詞を間違えたとしても殆ど誰も気づきませんが、そこで歌が止まってしまった時初めて、聴きに来てくださっている人に「あれ?どこか間違ったのかな」と気づかれるのです。つまり、ここ日本では外国語の歌詞の優先順位は、本国アメリカほどではないと言っても良いと思います。
一応、英語らしく歌うメソッドや、歌詞を覚えるメソッドもご用意しておりますが、歌を歌い表現する楽しみを最優先とし、特別な目的を持った生徒さん以外は、あまり英語については執拗に指摘しないようにしております。
レッスンの初期の段階では、楽譜は読めなくても大丈夫です。 この時期では楽譜を正確に読む事よりも、耳を使ってジャズの雰囲気を覚えていく事が重要になります。
レッスンが進み、次第に歌える曲のレパートリーが増え、どこかの場所でどこかのバンドで歌わせて貰いたい、という欲求が生まれてきた時には、自分の声の高さに合わせた自分だけの譜面を用意する必要が出てきます。つまり、譜面が『読める』ことよりも、譜面が『書ける』ことのほうが重要になってきます。
ただし、ジャズのバンドで用いる譜面というものは、いろいろ特殊なしきたりを含んでいますので、当然最初からこのような譜面をかける人がいるはずもありません。 ですから、生徒さんがジャズを歌うことに慣れてきた頃合いを見計らい、レッスンの中で譜面の書き方も、最初歩から丁寧にお伝えしていく時間を設けています。
あまたのジャズボーカリスト中から数名を挙げるとしたら、まず3大黒人女性ボーカリストとして、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、そして3大白人女性ボーカリストでは、アニタ・オデイ、クリス・コナー、ジューン・クリスティーが挙げられます。
男性ボーカリストとしては、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、ジョニー・ハートマン、メル・トーメ、ビリー・エクスタイン、トランペッター兼歌手のチェット・ベイカーが挙げられます。いずれも個性的な歌声を持った素晴らしいボーカリスト達です。
更に、上記のようなボーカリスト達だけでなく、ジャズミュージシャン達がこぞってそのスタイルを真似たといっても過言ではない『ジャズの祖』と言われているのが、トランペッター兼歌手のルイ・アームストロングです。また『ジャズ史上最高のボーカリスト』と言われているビリー・ホリデイは、ジャズという範疇を超え、現代のポップシンガー達にも強く影響を与えています。
彼らが活躍していた時期は、主に1930年代、40年代、50年代と、かなり昔のことになりますが、この頃に後に名盤といわれる作品が多く製作されています。当スクールでは、この時代の音源をなるべく多くご紹介しながら、レッスンを進めていきます。
ボサノバはブラジルのサンバを元に、ジョアン・ジルベルトという人があみ出した音楽です。
50年代半ば、リオデジャネイロに住む中産階級の若者達がギターを引きながら軽く歌うスタイルが流行の発信源だと言われています。 トレーニングを積んだ歌手らしい歌手が歌う歌とは一線を画した、『新しい傾向=BOSSA NOVA』を持った歌のスタイルとして、60年代に入ると言語以外の歌詞(英語やイタリア語など)が後付されたりして世界的に流行しました。
ボサノバの特徴はリズムにあります。 ボサノバはブラジル生まれの音楽なので、歌詞はもちろんブラジルの公用語であるポルトガル語で歌います。 ギターの奏でるゆったりとしたリズムの上に、ポルトガル語のやさしい響きが加わった、とてもリラックスしたサウンドがその特徴となります。
説明するのは大変難しいので、比較的手に入り易い『ゲッツ/ジルベルト』などの名盤を、アルバム単位で聴いてみると良いと思います。
代表的なボサノバ歌手をまず1人挙げるとしたら、ジョアン・ジルベルトです。『ボサノバ』というジャンルを確立した張本人と言われています。 次に、アントニオ・カルロス・ジョビン。『イパネマの娘』をはじめとするボサノバの名曲の殆どを作曲したコンポーザーであり、歌も歌います。
女性歌手では、『ボサノバのミューズ(女神)』と言われたナラ・レオンや、現在も活躍中のワンダ・ジ・サー、ジョイスなどが挙げられます。 全員に共通するのは、ブラジル人であり、ギターで弾き語りのスタイルで歌い、それぞれタイプは違いますが、声を張り上げない歌い方をします。ジョアン・ジルベルトに至っては『つぶやいている』と言った方がいいかもしれません。
これら歌手の歌を聴いていただければ、ボサノバという音楽がどういった雰囲気のものなのか、お分かりいただけるでしょう。
レッスンでは、基本的にはボサノバは原語のポルトガル語で指導させていただいております。 なぜなら、ボサノバのメロディー自体がポルトガル語特有の響きが作りだすリズムから出来ているからなのです。
英語の歌詞は、米国で商業的に曲を売り出すために『後付け』されたものにすぎず、できればボサノバ本来の素晴らしさを感じていただくために、原語での指導を目指しております。
しかし、いきなり馴染みのない言葉で歌詞を記憶するのは、かなり困難な作業に思われるかもしれません。そこでレッスンでは、カタカナをふった歌詞カードをお渡ししています。ご自身の耳で聞き取り、物まねをするような気分で、ポルトガル語の発音やボサノバ特有のリズムを覚えていくのが最良といえるでしょう。
尚、ジャズのスタンダード(英語)をボサノバのリズムで歌うということも曲によっては可能ですのでまたご相談下さい。