ヴェノーヴァ体験記!

ヴェノーヴァ,venova

ヤマハから発売されたカジュアル管楽器、ヴェノーヴァ(venova)について、そろそろレポートできるだけの研究結果が揃ってきました。結論から言えば、演奏するのは容易ではありません。しかし、それでも楽器自体は極めて魅力的です。楽しいです!私、鈴木学自身、このところ毎日のようにケースを開けています!

ヴェノーヴァは難しい!

ヴェノーヴァという新しい楽器について、凡その解説をビデオにしました。Youtubeチャンネル「ジャズサックス、ココだけの話」にアップしましたので、まずはそちらをご覧いただきたいと思います。

このビデオの中では、かなり遠回しに言っていますが、この楽器は本当に演奏が難しいです。特に現代の木管楽器、サックスサクソフォン)、フルートクラリネットに期待するような操作性、音程(ピッチ)の正確さを期待すると、間違いなくそれは大きく裏切られることとなります。

ヤマハによるこの楽器の売り文句は「リコーダーのように運指が容易で、サックスのような音色を奏でられる」云々、となっていますが、これはかなり微妙な表現です。実際は、リコーダーは発音は容易(誰でも息を入れれば絶対に音が出せます)だけど、運指は難しい楽器であり、サックスは良い音色を奏でることは難しいけど、運指は簡単な楽器です。つまり、リコーダーの運指でサックスの発音という事は、両者の難しいところを融合させたことになるのです!

それでもヴェノーヴァは魅力的!

ヴェノーヴァ,vanova

ヴェノーヴァの教本には「やさしい指づかい」とありますが、決してそんなことはありません。運指は複雑、その上音程(ピッチ)、特に半音の音程のコントロールは非常にシビア、しかも各音の音色はバラバラ・・。このように書きだすと、およそ魅力にない楽器のように感じられそうですが、実際はそんなことありません。

運指のしやすさ、ピッチの正確さ、音質の均質性・・、これらは全て現代の楽器に求められる性能です。例えばリコーダーは、古くから演奏されてきた楽器で、実にシンプルな構造でできています。バロック時代まではフルートと言えば、リコーダーのことを意味していたくらい、一般的な楽器でした。しかし、奏者から求められる性能、前述したような要素を改良していくのが困難であったため、それに応えられる構造を持つ、横吹きのフルートに取って代わられていきました。

つまり、リコーダーは現代の楽器の基準から評価すると、不完全な楽器という事になります。運指は複雑、ピッチは不正確、音質は非均一です。確かに現代の非常に多様化した音楽の全てを演奏できるかと言えば、非常に困難でしょう。だからと言って、リコーダーを不完全な楽器、もしくは魅力のない楽器として否定するのはバカげていますむしろ、素朴な音色の味わい、旋律をかわいらしく歌い上げる表現力など、現代のフルートが失ってしまった魅力が多々ある楽器なのです。

ヴェノーヴァは、リコーダーと同様、現代の楽器の基準で評価すれば、不完全な楽器と言わざるを得ません。それでも、だからと言って楽器としての魅力が否定されることはありません。サックスよりも素朴などこか懐かしい感じのする音色、音毎に微妙に揺れる音色、音程は、むしろ人の声で歌っているのに近いような、何とも言えない味わいとなります。しかも、とにかく演奏していて楽しいのです!

ヴェノーヴァ、教えますよ!

ジャズとか、クラシックをとか、ヴェノーヴァは難しい音楽を演奏するのには適していません。童謡、学校唱歌、懐かしのメロディーとかをゆったりと歌い上げたりすると、その魅力が十分に味わえます。例えば、特に難しい音楽ができなくても良いから、まずは音楽を趣味にしたい、何か楽器をやってみたいなんて考えてる人の、音楽入門用の楽器としては最適だと思います。

鈴木サキソフォンスクールでは、ご希望があれば、通常のサックス、フルート、クラリネットのレッスンと同様に、ヴェノーヴァのレッスンも承ります。この楽器はサックス同様、発音自体は簡単ですが、音色のコントロールを安定させるには色々とコツが要ります。私共のノウハウを用いていただいてその部分を補填し、より気軽に音楽に取り組んでいただけたらと思うのです。ご興味のある皆様、是非当スクールまでお問い合わせください。

ヴェノーヴァの購入はコチラ!
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